千葉の山奥に、猫と囲炉裏と秘湯が三つそろった宿があります。房総丘陵の深い緑に包まれた「いろりの宿 七里川温泉」。ねこ宿研究所として見逃せない一軒です。
七里川温泉ってどんな場所?
千葉県君津市の山あいに佇む温泉宿です。その名の通り「囲炉裏」と「猫」が名物で、地元の常連客から猫好きの旅行者まで、幅広いファンを持つ個性派旅館です。
温泉は房総半島では希少な硫黄泉の源泉かけ流し。黄みがかった透明のお湯が湯船に注がれる本格派で、日帰り入浴にも対応しています。
館内は年季の入った和の空間で、絵画や骨董品が所狭しと飾られています。整然とした旅館ではないからこそ、猫たちが自由気ままに居場所を見つけているのが、この宿らしさです。
アクセス
木更津東ICから国道410号経由で約30分。房総の山の中に分け入っていく道のりで、都心からは1時間半ほどで到着できます。
到着してすぐ、駐車場で黒猫のお出迎え
車を降りた瞬間、砂利の駐車場にどっしりと横たわる黒猫がいました。こちらが近寄っても動じる様子がなく、それどころか「ここは俺の場所だ」とでも言いたげな貫禄です。

この子が、七里川温泉との最初の出会いでした。
部屋に入ったら、猫も一緒に入ってきた
チェックインして部屋に落ち着いたころ、茶白の猫がするりと入ってきました。そのまま布団の上に陣取り、まるで自分の寝床のように丸くなって眠り始めました。

布団で猫と一緒に寝られる宿というのは、そうそうありません。この一枚だけで、七里川温泉がねこ宿研究所的に外せない場所だとわかります。
館内のあちこちで猫と出会う
ソファの下が好き
クリーム色の丸々とした猫は、ソファの下が定位置のようでした。呼びかけても動かず、完全に自分のペースを貫いています。


段ボールの上は特等席
絵画がずらりと並ぶロビーには、段ボール箱の上で眠るキジ白の猫が。Panasonicの箱という無骨な台座も、この猫の前では立派な寝台です。

夜の玄関番
夜が更けると、茶白の猫が玄関の引き戸の前にひとり座り、外の闇をじっと見つめていました。背中ごしのシルエットが、なんとも絵になります。

廊下の主
木の廊下では、茶白猫がこちらをじっと見返していました。警戒というより、値踏みしているような目つきです。

畳の部屋でカリカリを
和室の畳の上には、木箱とお椀が置かれていました。茶白の猫がそこに近づき、カリカリを食べながらこちらをチラリと見る。この何気ない場面が、七里川温泉の日常です。


籐の椅子が、猫の指定席
部屋の籐の椅子には、赤い麻の葉模様の座布団が置かれています。ここが茶白猫のお気に入りの場所で、夜から翌朝にかけて、ずっとここで過ごしていました。


夜が深まると、まん丸に丸まって熟睡。

翌朝も変わらず同じ椅子で。昨夜のまま、そこにいてくれました。


人が泊まりに来ても、猫たちのペースは微塵も乱れません。それが七里川温泉の心地よさの正体だと思います。
囲炉裏と硫黄泉
猫の話ばかりしてしまいましたが、この宿のもうひとつの顔は温泉と囲炉裏です。
温泉は硫黄泉の源泉かけ流し。房総半島では珍しい本格的な硫黄泉で、やわらかな湯ざわりと独特の香りが印象的です。日帰り入浴(8:00〜22:00)も受け付けています。
囲炉裏では自分で魚介を焼いて食べるスタイル。炭火の熱と煙の香りに包まれながら食事をするのは、山の宿ならではの体験です。食事なしの素泊まりプランもあるので、近隣で調達してきて自炊するのも楽しみ方のひとつです。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | いろりの宿 七里川温泉 |
| 住所 | 千葉県君津市黄和田畑921-1 |
| アクセス | 木更津東ICから国道410号経由で約30分 |
| 日帰り入浴 | 8:00〜22:00(第1・3水曜休、祝日は営業) |
| 日帰り料金 | 大人(高校生以上)1,150円 / 小学生〜中学生500円 |
| 宿泊料金(素泊まり) | 7,150円〜(税・入湯税込) |
| 宿泊料金(2食付き) | 12,650円〜(税・入湯税込) |
| 客室数 | 5室(和室10畳) |
| 公式サイト | https://shichirigawa-onsen.com/ |
まとめ
七里川温泉は、猫が「泊まれる」場所ではなく、猫と「一緒に泊まれる」場所です。部屋に入ってきて布団で眠り、椅子を占領し、廊下をうろうろする。猫たちが完全に主役として暮らしているその空間に、人間がお邪魔させてもらう感覚です。
整った施設ではないけれど、それも含めてこの宿の味。硫黄泉と囲炉裏と猫という組み合わせは、他ではなかなか味わえません。ねこ宿研究所として、自信を持っておすすめできる一軒です。
ねこ宿研究所では、猫と触れ合える宿・施設を実際に訪れてレポートしています。
