看板猫が客室へ遊びに来る宿は、猫好きにとって特別な体験になります。一方で、客室には猫にとって危険な物や、宿泊者が失くしたくない物が集まっています。
猫の訪問は確約されたサービスではありません。宿の規則を聞き、猫が自分で入る・出る選択を妨げず、人と猫の両方が安全に過ごせる部屋を先に作りましょう。
チェックイン時に確認すること
客室訪問の仕組みは宿ごとに違います。まずスタッフへ次を確認します。
- 猫が入れる客室・時間帯
- ドアを開けて待ってよいか
- 就寝時や外出時のドアの扱い
- 猫を部屋から出したいときの連絡方法
- 食べ物、おやつ、おもちゃ、抱っこの規則
- 猫が粗相したり物を壊したりした場合の連絡先
「猫が客室へ来ることがある」という記事を見ても、運用が変わっている可能性があります。当日の案内を優先してください。
猫が来る前に片付ける
猫が入ってから荷物を動かすと、驚かせたり、隙間へ追い込んだりします。先に次の物を収納します。
- 薬、サプリメント、たばこ
- チョコレート、ねぎ類などを含む人の食べ物
- 輪ゴム、糸、ヘアゴム、イヤホン、充電ケーブル
- 化粧品、香水、アロマ用品
- アクセサリー、鍵、SDカードなどの小物
- ビニール袋、紙袋、開いたスーツケース
バッグは閉め、浴室やごみ箱も確認します。猫が舐めたり飲み込んだりしたかもしれない場合は、自分で様子を見るだけにせず、すぐ宿スタッフへ伝えます。
ドアと窓を自己判断で開けない
客室のドアを開けて猫を待ってよいかは、必ず宿へ確認します。廊下の防火扉、玄関、窓、網戸、ベランダは脱走経路になる可能性があります。
猫が室内にいる間は、同行者全員で所在を共有してからドアを操作します。窓や網戸が閉まっていても、猫のための設備か分からなければ触りません。
入ってきても出口をふさがない
猫が部屋へ入ったら、入口の前へ座り込まず、猫が戻れる通路を残します。すぐに触る、抱き上げる、写真を撮りながら囲むことは避けます。
猫が室内を嗅いで確認している間は見守ります。近づいてきたら、触っていいサインとそっとしてほしいサインを全身で読み、一度に長く触れません。
ベッドや荷物に乗った場合
宿が猫のベッド利用を認めているなら、無理に降ろさず案内に従います。困る場合は、おやつや手で追い払わずスタッフへ相談してください。
私物の上に乗られたくないなら、猫が来る前に収納するのが最も確実です。猫を叱ることで解決しようとせず、環境を整えて予防します。
人の食事を与えない
客室での夜食や飲み物を猫が狙うことがあります。猫が欲しがっても、人の食べ物を分けません。宿が用意した猫用おやつも、回数や対象の猫が決まっている場合があります。
食事をするときは容器を閉じ、こぼした物をすぐ片付けます。猫が口にした場合は、食品名と量が分かる包装を残してスタッフへ伝えます。
写真は部屋の安全を優先する
フラッシュを使わず、猫を窓辺やベッドへ移動させません。よい構図を作るためにドアを閉めたり、音や物で目線を誘導したりする前に宿へ確認します。
撮影に集中するとドアや小物への注意が落ちます。同行者がいる場合も、誰かが猫の管理責任を負うのではなく、各自が出入口を確認します。詳しくは猫宿での写真撮影マナーをご覧ください。
就寝前に必ず所在を確認する
猫を部屋に残したまま寝てよいか、宿へ確認します。認められている場合でも、布団の中、ベッド下、収納、浴室、カーテン裏を目視し、猫を閉じ込める場所がないか確認します。
夜中に猫を外へ出したくなった場合の連絡方法も、寝る前に聞いておくと安心です。猫を抱いて廊下へ出す、知らない部屋へ誘導するといった自己判断は避けます。
外出・チェックアウト前の確認
猫が室内にいる状態で外出やチェックアウトをしません。見当たらない場合は、荷物や寝具を乱暴に動かさずスタッフへ連絡します。
出発前には次を確認します。
- 猫が客室内に残っていない
- バッグやスーツケースへ入っていない
- 猫の首輪などが私物へ引っ掛かっていない
- 誤飲や破損の可能性を宿へ伝えた
- 猫を廊下や屋外へ誘導していない
まとめ
客室訪問を楽しむ準備は、猫を呼ぶことではなく、部屋を安全にすることから始まります。小物と食べ物を収納し、出入口を宿の案内どおりに扱い、猫の退路を残す。就寝と退室の前に所在を確認する。この基本が、猫の自由な訪問を守ります。
予約前に確認したい10の質問も使い、客室訪問の対象部屋やプランを事前に確認してください。
参考資料
- AAHA/AAFP: Behavior and Environmental Needs
- 2022 AAFP/ISFM Cat Friendly Veterinary Interaction Guidelines
- Cats Protection: Spotting signs of cat stress
※猫が危険物を口にした、けがをした、室内から見つからない場合は、直ちに宿スタッフへ連絡してください。

