猫宿で座っていると、看板猫が手、服、靴、バッグへ鼻を近づけることがあります。自分に興味を持ってくれたように感じますが、匂いを嗅ぐだけで「触ってほしい」「食べ物が欲しい」とは判断できません。
猫が情報を集めている時間として、まず静かに待つのが基本です。
猫は匂いから周囲を確認する
猫にとって嗅覚は、周囲や相手を確認する大切な手段です。宿泊客は猫にとって新しい存在で、衣類や荷物には自宅、交通機関、食べ物、屋外、ほかの動物など多くの匂いが付いています。
何の匂いへ反応したかを人が正確に特定することはできません。「自宅の猫が好きだから」「おやつを持っていると分かった」と決めつけず、観察に留めます。
匂いを嗅いでいる間は動かない
猫が鼻を近づけたら、急に手を返したり、頭を撫でたりせず静止します。バッグを開ける、靴を動かす、別の物を猫の顔へ近づけることも避けます。
猫が自分から距離を取ったら追いません。嗅いだ後に体をこすりつける、近くに座るなど次の行動があってから、触れ合うかを判断します。
手を嗅ぐことは触る許可ではない
猫が指先や手の甲を嗅いでも、そのまま頭上へ手を動かしません。嗅ぎ終わって離れたなら、確認はそこで終了です。
猫が手へ頬を寄せ、宿が触れ合いを認めている場合は、短く触れて途中で止めます。触る場所と中止のサインは猫から近づいてきたときの挨拶方法を参考にしてください。
荷物は閉じておく
猫がバッグへ興味を示しても、中を見せる必要はありません。バッグやスーツケースは閉じ、猫が頭や体を入れないよう管理します。
特に次の物を収納してください。
- 薬、サプリメント
- 食べ物と包装
- ひも、輪ゴム、ヘアゴム
- ビニール袋、紙袋
- 化粧品、香水
- 充電ケーブルとイヤホン
客室を訪れる猫への準備はドア・荷物・就寝時の注意点で詳しく説明しています。
他の動物の匂いが付いている場合
自宅で猫や犬と暮らしている人の衣類には、その動物の匂いが付いている可能性があります。看板猫が長く嗅ぐ、離れる、警戒するなど反応は個体によって異なります。
出発前に強い消臭剤や香水で隠そうとせず、清潔な衣類を用意します。看板猫へ自宅の猫の毛や使用済みのおもちゃを嗅がせる必要はありません。
食べ物の匂いへ反応しても与えない
食事後の手、菓子の袋、飲食物の入ったバッグへ猫が近づく場合があります。欲しがっているように見えても、人の食べ物や持参した猫用おやつを与えません。
手を洗い、食べ物は密閉し、こぼした物を片付けます。宿が用意したおやつも、対象の猫、量、時間をスタッフへ確認します。
香水やケア用品を猫へ近づけない
香水、ハンドクリーム、消毒剤などを使った直後の手を、猫の鼻へ差し出しません。猫の反応を確かめるために容器を嗅がせることも避けます。
猫が手を舐めそうな場合は引き寄せず、宿スタッフへ確認します。塗り薬などを使用している場合は、猫が触れないよう衣類や包帯で管理し、医学的な扱いは医師や薬剤師の指示に従ってください。
匂いを嗅いだ後の全身を見る
嗅いだ後に猫がどう動くかを見ます。
- 頬や体を寄せ、近くに留まる
- そのまま通り過ぎる
- 少し離れて座る
- 後退して別の場所へ向かう
- 耳やしっぽの位置が変わる
一つの動きだけで感情を断定しません。猫が離れられる空間を残し、近づき直さないことが大切です。
写真を撮るために匂いを利用しない
食べ物、またたび、他の動物の匂いが付いた物で猫をカメラへ誘導しません。猫の食事管理や宿の撮影規則に関わります。
自然に匂いを確認している場面を撮る場合も、猫の顔へスマートフォンを近づけず、フラッシュを切ります。
まとめ
猫が匂いを嗅ぐのは、周囲や新しい相手を確認する行動です。理由を一つに決めつけず、手と荷物を動かさずに待ち、嗅いだ後の猫の行動を見る。食べ物や猫用品を取り出して反応を強めないことが、安全で落ち着いた挨拶につながります。
初対面で人から交流を始める場合は、指先を差し出す前に確認したいこともご覧ください。
参考資料
- AAFP/ISFM Feline-Friendly Handling Guidelines
- AAFP/ISFM Feline Environmental Needs Guidelines
- 2022 AAFP/ISFM Cat Friendly Veterinary Interaction Guidelines
※猫の反応には個体差があります。食べ物や危険物を口にした可能性がある場合は、すぐ宿スタッフへ伝えてください。

